千葉工業大学千葉工業大学 工学部 先端材料工学科
Advanced Materials Science & Engineering

教員・研究室紹介

田村 洋介 教授

yosuke.tamura_at_it-chiba.ac.jp
047-478-0276

研究室URL:

キーワード

塑性加工,材料力学,鋳造工学,材料組織制御,マグネシウム合金

研究室概要

産業の発展のみを重視し,環境・エネルギー問題を顧みない従来の材料および材料開発は見直しを迫られています.本研究室では,環境負荷低減の観点から,主として塑性加工を念頭にした材料加工プロセスを通じ,機械構造物に利用される新しい金属材料・素材を創製することを目的としています.特に最軽量実用金属であるマグネシウムに着目し,自動車をはじめとした機械構造物等の軽量化を目指しています.材料力学による強度理論,塑性加工学や鋳造・凝固工学に基づく加工理論,さらには材料組織制御理論等を基礎とし,先端的な分析機器を使用して研究を進めます.またその中で様々な学問分野を学びます.実際の産業現場で求められる知識と技術はオーソドックスなものです.'標準'を知らなければ先端を理解することはできません.即戦力となれるように,卒業研究に関しては材料工学の標準を重視した教育を実践しています.

研究テーマ

1. 高品質鋳塊の製造に関する研究

鋳塊の品質は製品と素材の出来映えを左右するため,塑性加工においては極めて重要です.鋳塊ビレットの高品質化には溶湯撹拌による材料組織の均質化・微細化が有効であり,種々の方法が検討されています.本研究室では「永久磁石式溶湯撹拌を利用した高品質ビレットの製造」について研究しています.この方法は電磁石を用いた従来の溶湯撹拌方法に比べ省エネルギーです.

2. 高性能マグネシウム合金の研究

マグネシウム合金は比重が1.73と小さく,樹脂に比べ高強度です.また軽量化が重視されるモータスポーツの分野や欧米の高級車には,インテリア部品のみならず動力系統にも使用されています.さらに電磁波シールド性や振動減衰能に優れていることから,ウルトラブックをはじめハイエンドの携帯電子機器筐体として用いられています.しかしマグネシウムは,塑性加工が非常に困難です.この点が改善されれば,その需要は飛躍的に高まります.本研究室では,合金成分の調整と加工プロセスの組み合わせにより,従来に無い優れた特性を有するマグネシウム合金素材の開発を目指しています.そのため材料試験や機器分析を駆使し,マルチスケールで研究に取り組んでいます.その他「マグネシウム電池」,「アルミニウム押出形材」,「メタルボンド」および「装飾用金属材料」など研究内容は多岐にわたっています.

これまでの主要な業績

  1. 橘木順二・田村洋介・早田博・アレキサンダーマクリーン;「Mg-La-Zr合金の延性と変形組織」,塑性と加工,56 (2015),pp. 60-65.
  2. 田村洋介・杉本芳一・早田博・A.McLean ; 「Mg-CaおよびMg-Ca-Zr合金の組織と機械的性質」,軽金属,63(2013),pp.279‐285.
  3. Yosuke.Tamura・Masaaki Murakami・Hiroshi Soda・Alexander McLean; "Role of Lanthanum in Grain Refinement and Tensile Properties of Cast Mg-La-Zr Alloy",MATERIALS TRANSACTIONS,54(2013),pp.745‐754.
  4. Yosuke.Tamura・Sunao Kawamoto・Hiroshi Soda・Alexander McLean; "Effects of Lanthanum and Zirconium on Cast Structure and Room Temperature Mechanical Properties of Mg-La-Zr Alloys",MATERIALS TRANSACTIONS,52(2012),pp.1777‐1786.
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