教員・研究室紹介
齋藤 哲治 教授

tetsuji.saito_at_it-chiba.ac.jp
047-478-0315
研究室URL:
キーワード
磁性材料、アモルファス材料、スマートマテリアル、粉末冶金材料
研究室概要

永久磁石などの磁性材料は,モータやスピーカなどの電気・情報機器に古くから利用されており,また最近はハイブリッド自動車や電気自動車のモータにも採用され,磁性材料はエコ時代の必須の工業材料の代表になっている.また,このモータで使用されるエネルギーは電気エネルギーの半分以上を占めており,省エネルギーの面からもモータ類,特にその主要構成材料である磁性材料の高性能化が求められている. 本研究室では,モータ類に使用される磁性材料の高性能化や軽量化を目標に,新しいアモルファス磁性材料や高性能な永久磁石の研究開発を行っている.また最近では,スマートマテリアルと呼ばれる形状記憶合金や磁歪材料など新たな磁性材料の研究開発にも取り組んでいる.これらの磁性材料の開発のため,放電プラズマ焼結法などの新しい粉末冶金技術の開発にも取り組んでいる.
研究テーマ
1. 国際的に注目される希土類磁石(レアアース)磁石の研究開発
現在最も高性能な磁石は希土類金属のひとつであるネオジム(Nd)を用いたネウジム鉄ボロン磁石であるが、本研究室では希土類金属であるサマリウム(Sm)を用いたサマリウム鉄磁石がネウジム鉄ボロン磁石を超える高い保磁力を示すことを見出した.また、新しい希土類磁石である希土類窒化物磁石の実用化に向けて、放電プラズマ焼結法による磁石化の研究にも取り組んでいる.
2. 希土類金属を使わない新しい永久磁石材料の研究開発

希土類生産の9割以上を占める中国が輸出規制をして以来、希土類磁石の将来に関して不安が高.そこで希土類金属を使用しない鉄(Fe)やマンガン(Mn)をベースとした新しい永久磁石の研究開発も行っている.最近、アモルファス製造装置で作製したマンガン系の試料に熱処理を施すとネウジム鉄ボロン磁石に匹敵するような高い保磁力が得られることがわかってきた。そこで、このマンガン系の磁石の高性能化への研究に取り組んでいる.
これまでの主要な業績
- T. Saito and D. N. Hamane,
"New hard magnetic phase in Mn-Ga-Al alloy",
J. Alloys Compd., vol.632,pp.486-489(2015).
- T. Saito and D. N. Hamane,
"Magnetic properties of Sm-Fe-N bulk magnets prepared from Sm2Fe17N3 melt-spun ribbons",
J. Appl. Phys., vol.117,17D130(2015). - T. Saito, R. Nishimura, and D. N. Hamane,
"Magnetic properties of Mn-Bi melt-spun ribbons",
J. Magn. Magn. Mater., vol.349, pp.9-14(2014). - T. Saito and T. Akiyama,
"Magnetic properties of Co-Zr-B magnets produced by spark plasma sintering method",
J. Appl. Phys., vol.115,17A749(2014). - T. Saito and D. N. Hamane,
"Magnetic properties of SmCo5-xFex melt-spun ribbons",
J. Alloys Compd., vol.585,pp.423-427(2014).