教員・研究室紹介
小山 和也 教授

koyama.kazuya_at_it-chiba.ac.jp
047-478-0104
研究室URL:
キーワード
リサイクル,非鉄製錬,湿式プロセッシング,金属材料生産,表面処理
研究室概要
私たちの社会を持続的に発展させるためには資源の効率的な循環が欠かせません.研究室では「産業のビタミン」といわれるレアメタルや銅,亜鉛などの非鉄金属について,資源のリサイクルとその効率的な抽出・分離・生産プロセスに関する研究開発に取り組んでいます.また,めっきを含む電解技術や腐食に関する研究を行っています.これらはいずれも水溶液系を利用した湿式プロセッシングに関するものであり,化学熱力学,溶液化学ならびに電気化学に基づいた研究をしています.
研究テーマ
1. 未利用資源からの有価金属の分離
廃棄物などの人工資源からレアメタルなどの有価な金属を分離・回収しています.例えば各種モーターとして自動車やパソコンのハードディスクに搭載されているネオジム磁石には希少価値の高いジスプロシウムなどの希土類元素(レアアース)を含んでおり,溶液を使った希土類元素の分離方法の研究を行っています.(下図) このほかにリサイクルでは,携帯電話や家電製品の中のプリント基板に含まれる金,銀,白金などの貴金属元素の分離に関する研究を行っています.また,海底鉱物資源や銅,亜鉛といった天然資源に含まれる不純物元素の分離や電解方法など、新しい製錬方法に関する研究を行っています.

2. PIV法による流動の解析
湿式プロセッシングでは反応槽内の流動状態がイオンや物質の移動に重要な役割を果たします.流れの方向や速度の測定法には種々の方法があり,研究室ではレーザーによる散乱光を利用したPIV法(Particle Image Velocimetry)を用いて,最適な流動条件の探索を行っています.

これまでの主要な業績
- 小山和也,田中幹也 "濃硫酸を用いた廃蛍光体中の希土類元素 (La, Ce, Tb)の可溶化",
環境資源工学, 第62巻, 第3号, 77-81(2015) - 大石哲雄,矢口未季,小山和也,田中幹也 "アンモニアと1価銅イオンを利用した銅リサイクルプロセスの溶液繰り返し試験と浄液工程の簡略化",Journal of MMIJ,130,28-33 (2014)
- Koyama, K., Oishi, T. Tanaka, M., Alam, S. and Lee, J.-C."Recovery of Copper from Printed Circuit Boards Using Ammoniacal Alkaline Solution", COM2012 Conference Proceedings WALSIM II, 235-274 (2012)